5.12018
いぶし銀の魅力
先日ある和室のリフォームがあったので
久しぶりに俺の大好きな棟梁にお願いして来てもらった。
御年74歳になる棟梁だ。
ひとことで大工と言っても色々だ。
和室が作れない大工なんてゴマンといる中で
俺はこの人こそ本物の棟梁だと思っている。
この人に仕事をお願いするときはこちらもかなり気を遣う。
気を遣うと言っても、変な気の使い方ではない。
やってもらいたい事は、全て事細かく、それも最初に説明することが大切。
途中で「これもこうしてください」なんてことを言っても通用しない。
「何で最初から言わないんだ!!」と一喝されるのが関の山だ。
今までも何度怒られたことか・・・(笑)
今回は嬉しいことに、息子のケンちゃんとの共演となった。
ケンちゃんと最初に会ったのは、まだケンちゃんが20代の頃。
そのケンちゃんももう40半ばである。
棟梁曰く、
「もういい加減眼が見えなくてよ~、
細かいところはケンイチにやって貰うんだ~」
との事。
10年以上前にも、二人の共演は見たことがあるけど
その頃はケンちゃんが結構怒られていた印象があるが、
今ではそういう事も全くなくなった。
ほとんどしゃべらず、あうんの呼吸で黙々と作業は進む。
そんな姿を見ているだけで、何故だか嬉しくなる。
いぶし銀の魅力とはこういう事を言うのだろう。
棟梁の小さな背中が、また少し丸くなったような気がする。
素晴らしい仕上がりに、お客様もめっちゃ満足してくれた。
久しぶりに棟梁と旨いビールが飲めそうだ。