10.162015
平成の軒
雨漏りの現場にはいろいろな特徴がある。 施工の悪さは問題外だが、建物の形にも大きな特徴がある。
それは「軒」の出だ。
日本は土地が狭いので仕方がない部分もあるが、ことごとく軒の出が少ない。
また、デザイン性を重視するばかりに、軒を持たない家屋が増えてきている。
雨漏りはそういう家に極端に多く現れる。
そもそも「軒」はなぜ必要か……。
建物には木造、鉄骨造など様々な構造があるが、特に木造には「軒」が必要だと思う。
木材の天敵は水分……。
要は木造の外壁には極力雨水がかからない方が良いに決まってる。
特に外壁がモルタルの場合は雨水を吸収する外装材が近年多い。
そういう建物で軒が無いと、常に外壁は水に浸っている状態になってしまう。
それでは家そのものの耐久性を長期に渡って維持することは難しい。
また、軒は暑さ対策にも役立つ。
もともと伝統的な日本家屋の軒の出が深いのは、夏の暑さを遮りながら日影の冷たい空気を室内に取り入れようという工夫からきている。
逆に冬場は太陽の高さが低いため、軒の出が深くても日光を室内まで取り入れることができる。
極端に軒の出を出す必要はないにせよ、やはり軒には大切な機能が沢山詰まっている。
デザイン性も大事だが、軒は出すに越したことはない。
どうしても軒の出を出せないのならば、外壁にはそれなりの対策を講じないと、これだけ雨の降る日本の気候には耐えられないと思う。
「平成の軒」とも言うべき塗料がある。 それはアステックペイントのEC2000F-IRと言う塗料だ。
この塗料は、高い防水性と遮熱性を併せ持つ。
今までも防水性の高い塗料はあったが問題点も多かった。
それは建物の内側からの湿気で外装材が膨れてしまうという事。
だが、このアステックペイントのEC2000F-IRという塗料は、透湿性が高いので膨れる心配がない。
また、遮熱性も併せ持っているので、いわば軒がつくる涼しい風を建物内に送り込むこともできる。
まさに「平成の軒」だ。
まあ、素晴らしいものを開発する人がいるもんだね……。
今までも沢山の「平成の軒」を作らせていただいた。 こんな素晴らしいものがあるんだから、ひろめない訳にはいかない!
さぁ、「平成の軒」を作るために、これからもガンガン塗りまくって参ろうぜよ!
金塚 浩一